動画配信での解説を踏まえた講演と演奏
参加申込受付が4月1日に開始されたピティナ・ピアノコンペティション。2026年度が50回目の開催となります。課題曲の発表は3月1日。同日から3日にかけて課題曲説明会が行われました。今回は50回目を記念した特別プログラム。1日は楽曲解説の動画配信、それを踏まえて2日は演奏表現をさらに深掘りする特別セミナー、3日は指導方法に関する特別セミナーとなっています。1日目の解説動画と2~3日目の編集動画は、ピティナの「eラーニング」で公開中です(今回の課題曲説明会のコンテンツをまとめたページはこちら)。
理解を深める「+α」の解説
1日の動画配信では、ソロ部門のA1~D級の課題曲を取り上げ、近現代を赤松林太郎氏、バロックを関本昌平氏、クラシックを小倉貴久子氏、ロマンを鈴木弘尚氏が担当。デュオ部門の連弾初級B~連弾中級Bの予選課題曲をYu&Ai ピアノデュオ(山崎裕&濱本愛)、連弾初級B~連弾中級Aの本選課題曲を中井恒仁&武田美和子ピアノデュオの諸氏が担当しました。
赤松林太郎氏は2日の特別セミナー「近現代+α解説」にも登場。課題曲に選ばれた旧ソ連の作曲家を取り上げ、政治体制に「二重言語」で対応したショスタコーヴィチ(A1級)、忠実だったカバレフスキー(B級・D級)、戦略的に対応したプロコフィエフ(C級)と、それぞれのスタンスを対比した解説など、興味深い話題が次々に繰り広げられました。

特別セミナー「バロック+α解説」には関本昌平氏が登場。弾く前の姿勢、呼吸と連動した身体の動き、空気感の作り方、音の切り方、解決の前の音の聴き方、など、各課題曲の演奏で求められる要素について、良い例と悪い例を実演で示しながら、聞き手を引き込む語り口で分かりやすく解説しました。

同コンペティションでは、「指導者の学び」も重要な要素として掲げられています。この日は、継続的な「指導力の研鑽」を支援する「ピティナ・ピアノ指導者ライセンス」の全級合格者授与式も実施。2025年度に「初級」「中級」「上級」のすべてのライセンスを取得した指導者がステージに上がり、合格証書を授与されました。

さらにこの日は「初めての試み」として、課題曲選定委員の本多昌子氏(委員長)、笹山美由紀氏、田中貴子氏が登壇し、「課題曲選定委員による選曲ポイント解説」が実演を交えて行われました。C級以下の課題曲では「音楽の基礎を楽しく学ぶこと」、D級以上では「より幅広い音楽に触れてレパートリーを広げること」が眼目になっているといいます。また、各曲の解説が「ピティナ・ピアノ曲事典」に掲載されています(課題曲選定委員による解説をまとめたページはこちら)。

なお、ムック『ジュニアのピアノコンクール 課題曲にチャレンジ!』には、2026年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲から16曲の誌上レッスンを掲載。課題曲選定委員長の本多昌子氏からは、「選定の趣旨」についてコメントを寄せていただきました。
【ムック掲載の2026年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲と解説執筆者】
〈A2級 クラシック〉メトードローズ《バーゼルの思い出》(高橋千佳子)
〈A2級 近・現代〉バスティン《棒あめのワルツ》(二本柳奈津子)
〈A1級 バロック〉ドイツ民謡《もしもわたしが小鳥なら》(奥村 真)
〈A1級 近・現代〉バスティン《マクドナルドおじさんのロック》(塚田めぐみ)
〈B級 バロック〉J.S.バッハ《メヌエット》ト短調 BWV822-5 (福田ひかり)
〈B級 クラシック〉W.A.モーツァルト《アリエッタ》(片山早苗)
〈B級 クラシック〉クーラウ《ソナチネ》Op. 55-3 第1楽章(平井千絵)
〈B級 ロマン〉チャイコフスキー《古いフランスの小さな歌》Op.39-16(曲尾雅子)
〈C級 バロック〉ペッツォルト《アルマンド》(浦壁信二)
〈C級 バロック〉ラモー《メヌエット》イ短調(花岡千春)
〈C級 ロマン〉グリーグ《妖精の踊り》Op.12-4(菅野雅紀)
〈C級 近・現代〉プロコフィエフ《行進曲》Op.65-10(西尾 洋)
〈D級 バロック〉D.スカルラッティ《ソナタ》K.9/L.413(久元祐子)
〈D級 バロック〉J.S.バッハ《フランス組曲 第3番》より〈アルマンド〉(杉浦日出夫)
〈D級 バロック〉J.S.バッハ《フランス組曲 第4番》より〈アルマンド〉(赤松林太郎)
〈D級 ロマン〉ラフマニノフ《幻想的小品》ト短調(秋場敬浩)

ONTOMO MOOK
ジュニアのピアノコンクール 課題曲にチャレンジ!
ムジカノーヴァ 編
定価2,420円


