こどものスケール・アルペジオ
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入会率がアップする体験レッスン(後編)

文―加山佳美

※本記事は『ムジカノーヴァ』2019年4月号の再掲です。前編はこちら


入会率をアップさせるには、以下の9つのポイントが大切です。

①目標を持つ
②相手がどこまでの情報を持っているかを探る・聞く(a:対面・電話、b:メールやフォーム)
③複数のカリキュラムを立てる
④ 環境を整える(教室の清掃、先生の服装、身だしなみの確認)
⑤ お渡しする資料を準備する
⑥保護者に記入してもらうアンケートを作る
⑦ 申込から体験日までに間が空いていたら、リマインダーメール等を送る
⑧ 資料を基に教室の説明をし、「入会の有無」、あるいは「検討する」なのかを伺う
⑨ 体験レッスン後のフォロー

それぞれの項目について、具体的にご紹介します。

①目標を持つ

もちろん、ご入会いただきたいのはどの先生も共通した想いですよね。
例えば、発表会で幼稚園児だけの合唱をしたい、生徒を30人にしたい、自分だけで発表会を開催できる位の人数を集めたい等の具体的な目標を立てます。

②相手がどこまでの情報を持っているかを探る・聞く

体験レッスン前の対応で「人柄・常識」が見られ、判断されています。こちら側もスムーズに相手の意図や情報を聞きます。
突然、連絡が来たり、時間がなかったりする時などは、とっさの行動になるから上手くできないのです。予め準備をして、何と言うか、セリフを用意しておきます。

(例)教室に直接来た・電話の際の対応・言葉遣い
「わかば音楽教室のピアノコースへのお問合せですね? ピアノコースの体験レッスンをご希望でございますか? ありがとうございます。お近くにお住まいですか? こちらの教室をどのようにお知りになりましたか?」
「体験レッスンは、ご説明を含めて40分位掛かります。体験可能な日程をご連絡させていただきますので、ご連絡先をお伺いできますか? お子様のお名前、年齢、保護者様のお名前、ご連絡先をこちらにご記入ください(教えてください)」
「ピアノはお持ちですか? お子様はピアノを習った経験はございますか?」
「保育園(小学校)からのご帰宅時間は大体何時頃でしょうか? ご都合の悪い曜日はございますか?」

メールの場合、下書きやひな形として保存しておくとよいでしょう。

③複数のカリキュラムを立てる

お子さんの年齢、ピアノ経験を伺い、体験レッスンのプランを立てます。小さな年齢のお子さんの場合は、どのようなタイプのお子さんか会ってみないと分からなかったり、初対面ではだいたい緊張したりすることも踏まえて、1通りのレッスンプランではなく、組合せ自在なプランをお勧めします。例えば、おとなしい・元気・リズム感が良い・理解力が高い・たくさん弾きたがるなど、子どもたちの個性に合わせたレッスンを用意します。
「できるようになったポイント」をたくさん持ち帰らせてあげることが大切です。
私は導入(歌・楽器)、鍵盤遊び、弾く、書く(描く)の4つの柱で組み立てています。

④環境を整える

見た目と話し方で印象が決まります。月謝を頂いて教える教室にふさわしい清潔感、環境でお迎えしましょう。
いざ、教室に来た時に相手が「どうすればよいか」もしっかりとお伝えします。パッと顔を合わせた瞬間のご挨拶、その後のご案内の立ち居振る舞いで、いかにスムーズに、相手に気遣いさせずにレッスンを受けてもらえるかが大切です。

□玄関のチャイムは鳴らすのか?
□到着は指定時刻ぴったり? 少し前?
□スリッパは出してあるか?(玄関先に置いてあるだけでは履きづらい)
□どこに座ればよいか?
□荷物はどうしたらよいか?
□親はどこで、どうしていればよいか?

自分が高級レストランや期待したカフェ、はじめての病院などに行ったことを想像してみてください。どんな時に満足して、どんな時に満足度が低かったか。
「服装」も大切です。スーパーに出かけるような格好ではなく、少しきちんとするほうが印象が良いでしょう。

パーソナルスタイリストの勅使河原祐子さんに伺いました
「どんな服装が初対面の体験レッスンでふさわしいですか?」

・カジュアルになりすぎない格好
・電車に乗ってお出かけできる格好
・きちんとした格好
・よそ行きの格好
・知り合いとのランチ会でレストランに行くような格好

例えば……
・ワンピースやセットアップ
・ニットの場合はざっくりニットではなく、ジャストサイズのニット
・カットソーではなくブラウスやシャツ等

個々の価値観だと「この位かな?」と思うことを、こうして具体的に提示されると分かりやすいですよね。トップスはキレイめニットだけど、ボトムスはカジュアルなパンツだとフランクな印象になります。同じニットでもボトムスが違うと印象も違います。
授業参観も幼稚園の面接も今は昔と違い、普段着のところもあって様々です。自分がどんな生徒、保護者をお客様として迎えたいかを考えてみましょう。

⑤⑥⑧ 事前に用意した資料をお渡ししながら説明し、アンケートの記入をお願いする。 「入会の有無」、あるいは「検討する」なのかを伺う

この「説明」が実は一番大切です。「先生」として知っている知識をいかに分かりやすくお伝えするか、こちらも予め準備をしておきます。うまく話せないと思う方は、資料に記載しておきましょう。
レッスンの中でできたこと、良かったこと、教室で大切にしていること、始める時期、継続することで伸びること、今すぐ始める利点、教材、発表会、その他のイベント、レッスンの空き時間、楽器について。
その子だけができたこと、今日成長したことを伝えられると親御さんはとても嬉しく思いますし、「1回で成長するなら、この後も楽しみ」という気持ちになります。つまり、そのようなレッスンにしていくということです。

⑨体験レッスン後のフォロー

ご入会の方には、いつからレッスン開始か、初回の持ち物、月謝・教材費のご案内を後日行う。
検討中の方には、他の教室でも体験レッスンの予定があるのか、自分の教室だけで検討しているのかを帰る前に伺っておくとよいでしょう。

「どのような点でお迷いですか?(ご検討されていますか)」
「ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください」

レッスンの中身だけでなく、すべての流れを通して相手にストレスなく、満足していただけるように工夫してみてください。

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