呉暁先生が制作した教本シリーズの活用法について、著者ご本人に解説していただきました。
※こちらの記事は、ムジカノーヴァ2007年12月号の再掲です。
文―呉暁
私はこれまで、「ソルフェージュが上達のもと」という考え方で、さまざまな教材を作ってきました。『4才のリズムとソルフェージュ』『5才のリズムとソルフェージュ』では、4~5歳児に感覚的なものを直感的に与えることを、6歳~10歳の子どもを対象にした『リズムとソルフェージュ①②③④』では、読譜力をつけることをねらいにしています。
子どもたちはソルフェージュを“お勉強”だとは思っていませんから、リズム打ちなどを喜んでやっているうちに、読譜力がよく身に付き、将来のピアノ演奏に役立つのです。
私が作った『アキ ピアノ教本』は、「進度に無理がない」ことにこだわっています。その導入編となるのが、『うたとピアノの絵本』です。どちらも、『リズムとソルフェージュ』のシリーズを併用することを前提にしています。
まずは『うたとピアノの絵本① みぎて』と『4才のリズムとソルフェージュ』を、同時に始めてください。私の生徒の中には、『うたとピアノの絵本① みぎて』の終わりごろには、『5才のリズムとソルフェージュ』に進んでいる子が多いです。
『うたとピアノの絵本』は『①みぎて』『②ひだりて』『③りょうて』の順に使うのが原則ですが、子どもたちの能力によって、各巻の途中から、次の巻に進んでも構いません。全部終了したら、『アキ ピアノ教本』に進みます。
『アキ ピアノ教本』には、テクニックの曲も含まれていますから、別のテクニック教本を併用する必要はありません。全部終了したら、私としては、バルトークの『ミクロコスモス』第1巻に進んでほしいと思いますが、先生の好みで、どんなものでもよいと思います。参考までに、私がこれまで実際に生徒に与えてきた曲を、著書『練習しないで上達する 導入期のピアノ指導』で紹介しましたので、読んでみてください。






