こどものスケール・アルペジオ
読みもの
 

ピアノデュオの新たな可能性を感じさせる力作がずらり

第25回 国際ピアノデュオコンクール〈作曲部門〉本選会

ピアノデュオを創造と表現の両面から発展させることを目的として開催されている「国際ピアノデュオコンクール」。「演奏」と「作曲」の2部門が設けられ、それぞれ3年ごとに実施されます。第25回となる2026年は作曲部門。その本選会が、6月27日、カワイ表参道のコンサートサロン「パウゼ」で行われました。

第1位を受賞したLIU Haotongさん(右)と国際ピアノデュオ協会会長の堀江真理子さん

譜面審査を経て本選会に登場したのは全6作品。ピアノ連弾もしくは2台ピアノによる未発表・未出版の作品で、演奏時間7分以内という時間制限が設けられています。本選会は演奏による公開審査で、すべての演奏を「瀬尾久仁&加藤真一郎 ピアノデュオ」が担当しました。

表彰式での結果発表に先立ち、今回初めて当コンクールの審査にあたったという作曲家の新実徳英さんが、「力作ぞろいの本選会で、ピアノデュオの可能性を感じさせてくれた」などと講評を述べました。

講評を述べる審査員の新実徳英さん

続いて受賞作の発表。以下のように決定しました。

■大賞/全音楽譜出版社賞/ベヒシュタイン賞/聴衆賞
LIU Haotong《二地点の夢 2台のピアノのための》

■第2位/カワイ賞
古永家健太《交差する波動》(2台ピアノ)

■第3位
川浦義広《影を纏い、影に歌い…4手のための》(連弾)

■音楽之友社奨励賞
長江柊哉《ヴァーミリオン・パッサカリア》(連弾)

■入選
Oliver KOLB《四つの情景 ピアノ連弾のための組曲》
Aiqiao WANG《風息が止んだ》(連弾)

前列左から、Aiqiao Wang、古永屋健太(第2位)、Liu Haotong(大賞)、川浦義広(第3位)、長江柊哉(音楽之友社奨励賞)の各氏。後列は演奏を担当した「瀬尾久仁&加藤真一郎 ピアノデュオ」

大賞などを受賞したLIU Haotongさんは、今回の受賞作が初めて書いた2台ピアノ作品とのこと。ドビュッシーやラヴェルなどの印象派作品が好きで、今作でさまざまな響きの層を表現しようと追求したといいます。なお今作は、2027年に行われる同コンクール演奏部門プロフェッショナルカテゴリーの本選課題曲となります。

音楽之友社奨励賞の長江柊哉さんは受賞作《ヴァーミリオン・パッサカリア》について、「タイトルのヴァーミリオン(朱色)は、夕暮れどきを指しています。これに過去の自分をなぞらえています」と語りました。

全作品で見事な演奏を聴かせた「瀬尾久仁&加藤真一郎 ピアノデュオ」。加藤さんは、タイプの違う作品を立て続けに演奏する際の気持ちの切り替えの大変さを振り返りつつ、「どの作品も新しい世代ならではの面白い発想がありました。過去の世代の作品に学ぶことで、より演奏しやすく書いたり、表現したいことをもっとうまく実現したりできるのでは」と、若い作曲者たちにエールを送りました。

【審査員】
伊左治 直/糀場富美子/寺嶋陸也/新実徳英/春畑セロリ/小佐野 圭/堀江真理子

本選会で演奏中の「瀬尾久仁&加藤真一郎 ピアノデュオ」

クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら
タイトルとURLをコピーしました