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髙橋千佳子さんがリズム本来の魅力をとらえるアプローチを紹介

日本ソルフェージュ研究協議会 第18回 講演会

ソルフェージュについての理念の共有や研究の進化を図る目的で活動している日本ソルフェージュ研究協議会。講演会、ワークショップ、研究発表会などを定期的に開催しています。5月17日には、「リズムはしゃべり言葉から」と題して、同協議会理事を務める髙橋千佳子さんの講演会が行われました。


生き生きとしたリズムを体感できるような教育に日頃から取り組んでいる髙橋さん。リズムを「タンタン」「タタタン」という音の長短の組み合わせとしてとらえるばかりでなく、しゃべり言葉にあてはめることを提唱しています。

例えば、4分音符と8分音符を組み合わせた次のリズム。

これをリズム読みすると「タンタンタタ」となりますが、髙橋さんは「東京から九州まで」などの言葉をあてはめます。

すると「東京」「九州」という名詞より「から」「まで」という助詞のほうが自然と軽く扱われ、抑揚のあるリズムを体感しやすくなるのです。

「全音符の長さを1とすると、2分音符は2分の1、4分音符は4分の1、8分音符は8分の1、などと“割り切れる”ものです。そのため楽譜に書かれたリズムは、整理整頓されて、機械的にとらえられがちです。でも、しゃべり言葉や動作など、生活のあらゆる場面にリズムは生きていて、それらは“割り切れる”ものばかりではありません。楽譜に書かれたさまざまなリズムをしゃべり言葉にあてはめてみることで、リズムが本来持つ“割り切れない”ニュアンスや特徴などを味わえるのではないでしょうか」(髙橋さん)

講座ではそのほか、“穏やかな付点”“元気のいい付点”など、同じリズムでもさまざまな表情を持つことが、しゃべり言葉を通じて示されました。
また、ピアノ練習曲でおなじみのチェルニーが著書『ピアノ演奏の基礎』の中で、フレーズの長い音に向かって歌い、長い音に到達したあとは抜けていくように歌うようアドバイスしていることを紹介。これは髙橋さんにとって、表情豊かな演奏のためのひとつの大切な手がかりになっているそうです。

「味のあるリズムを表現できることは、魅力的な演奏につながります。指導の際には、楽器を演奏する前のリズム読みの段階で、“機械読み”ではなく“人間読み”ができるような水準に育てておく必要があるのではないでしょうか」(髙橋さん)

このようなアプローチによるさまざまなリズムのとらえ方が、髙橋さんの著書『しゃべって 歌って 味わって 覚える リズム基礎講座』にまとめられています。

なお9月には、日本ソルフェージュ研究協議会のシンポジウムで、「音楽の抑揚ー言語の音楽のイントネーション、リズムと演奏表現に関するー」と題した座談会が行われる予定。登壇者は渡辺健二、伊藤康英、今村央子、鷹羽弘晃の各氏です。

◆日本ソルフェージュ研究協議会 第13回 シンポジウム
日時:9月6日(日)14時開演(13時30分開場)
場所:東京音楽大学池袋キャンパスA200

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