こどものスケール・アルペジオ
読みもの
 

人生100年時代の ピアノの先生の働き方④

楽器店のカリスママネージャー星野真之さんのもとに、世代も環境も異なる5人のピアノの先生が集合! 現在抱える仕事上の悩みや、より良い働き方への紆余曲折を、率直にお話しくださいました。
※2019年に実施した本座談会を振り返るとともに、現在の近況も教えていただきました。

司会・まとめ―星野真之


時間管理はすなわちメンタル管理

木下 私はまだまだそんな境地まで程遠いですけど、時間管理についてはこの数年で徹底できるようになりました。

星野 具体的にどんなことが挙げられますか?

木下 仕事のメールを見る時間を決めたことで、1日のペース配分というかバランスのようなものが良くなって、その分レッスンに力を注ぐことができるようになりました。

星野 営業時間を決めた、みたいな感じですね。大事だと思います。ピアノの先生って、下手をすると24時間営業みたいになりがちですから。

木下 あと、振替レッスンをやめたのも大きかったです。自分を含め生徒さんや保護者様も1回のレッスンに対する意識がさらに高まったかな?と思います。

春木 私はワンレッスン制にしてしまったので、その辺からは自由になりましたね。

山手 1回あたり幾ら、で回数は自由ということですか?

春木 そうです。5枚綴りのチケットを買っていただいて、たくさんレッスンを受けたい人はそうすればいいし、そうでもないという人は少なくすればいいし、ご自由にどうぞ、というスタンスですね。たくさんレッスンを受けたい子は年に48回とか来ますね。

星野 大変現代的なやり方かもしれないですね。大人の方には特に良いかもしれません。ただ、スケジュール管理が大変な一面がありますから、その辺が苦でない人向きでしょうか。あと、ちょっと変わったレッスン形態ということで、春木先生はスカイプを使ってのレッスンもされているとか。

春木 親御さんの転勤で海外に引っ越した生徒のために始めたのが最初です。

星野 時間や場所の制約から逃れられるのがいいですね。ある意味、一番「改革」っぽい。

春木 そうです。 途中で通信が途切れて映像が見られなくなって、音声だけでやり遂げたこともあります。じかにレッスンする生徒よりも、自立心はかえって強いくらいですよ。教材は、一時帰国の時にまとめて買って帰ってもらいます。年に一度は私がお邪魔して、集中レッスンをします。もちろん観光を兼ねますが(笑)。

星野 ものすごくダイナミックですね。これだけネット環境が整った現代ですから、海外に限らず検討してもよいレッスン方法ですよね。
そろそろまとめの段階ですが、皆さんすごく頑張って、そして工夫をされている所に感動しました。とても参考になるお話だと思います。ただ、これもすごく大切なところなんですが、こうするとよいな、と頭で理解できても、本当に心に響く事例はその中の一部だと思います。それで当たり前で、結局は自分のハートがそれをやってみようと思うかどうかです。ですからなおのこと、取捨選択するためにはたくさんのお話に接しないといけないのでしょう。
改めまして、今日は本当にありがとうございました。また座談会やりましょう!

一同 ぜひ!


参加者の皆様

星野真之さん
楽器店マネージャー

伊藤裕美子先生
いとうピアノ教室

乾れい子先生
vivaceピアノ教室

木下佳奈子先生
きのしたピアノ教室

春木麻紗子先生
さくら音楽教室

山手晴香先生
山王音楽教室


関連記事:
第1回 子育てとレッスンの両立
第2回 何でも一人で抱え込まないで
第3回 ダブルワークという挑戰
第5回 6年後の変化

クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら
タイトルとURLをコピーしました